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オンネトーの雪解けは例年より早く、そして爽やか|松山千春のふるさと足寄の春

北海道足寄町といえば松山千春があまりにも有名です。

若い頃はしなやかな長髪でステージ狭しと歌いまくっていましたが、還暦を過ぎてからはスキンヘッドのこわもての風貌でどっしりとした貫録を見せています。

一見、近寄りがたい外見ですが、2017年8月20日、飛行機のトラブルによる待ち時間に乗客を和ませようと代表曲「大空と大地の中で」を歌ってくれるほど人情味あふれるアーティストです。

そんな心豊かな松山千春を育んだ足寄町の観光名所といえばオンネトー。

すでにヒミツキチとはいえないほどメジャーな観光スポットですが、落ち着いた佇まいはずっと変わりません。

喧騒を離れたいとき、一人になりたいとき、大好きな人と訪れたい場所、それがオンネトーです。

目次

オンネトーとは

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オンネトーとはアイヌ語で「大きな沼」「年老いた沼」を意味します。

なるほど、周囲2.5㎞は沼としては大きく、落ち着いた佇まいは長い歴史を感じさせます。

しかしながら、沼の定義は「水深5m以下で沈水植物が水底で育っているもの」ですから、最深部が10m近くにもなるオンネトーを沼と呼んでよいのかどうかは議論の分かれるところでしょう。

実際、多くの観光パンフレットで「神秘の湖」として紹介され、東大雪の東雲湖(しののめこ)、支笏カルデラのオコタンペ湖と並ぶ北海道3大秘湖といわてれています。

雌阿寒岳の噴火によってラワン川がせき止められてできた沼、あるいは湖です。

絶滅を危惧されているエゾサンショウウオやザリガニが棲息し、見る角度や太陽の位置によって刻々と色を変えるなど神秘性は抜群。

五色沼ともいわれ、訪れる観光客を魅了し続けています。

いつも静かに映る雌阿寒岳と阿寒富士

そのオンネトーを見守るように佇むのが雌阿寒岳(左)と阿寒富士。

標高1,499mの雌阿寒岳は「日本百名山」に選ばれるほどの名峰。

シーズンになると多くのハイカーで賑わいます。

一方で、活火山でもあるため、たびたび入山規制が敷かれることもあります。

登山で訪れる際は、事前に確認しておきましょう。

なぜ雌阿寒岳というかといえば、雄阿寒岳が東の方にあるからです。

この雌阿寒岳と雄阿寒岳は夫婦でした。

過去形にしてしまいましたが、離婚したとの噂は聞かないので今も夫婦なのかも知れません。

いわゆる別居状態なのですが、その理由は雄阿寒岳がポンヌプリという山と浮気をしたことが原因といわれています。

雄阿寒岳の不貞行為に怒ったニッネカムイという神様が「山が妾を持つとは生意気だ」と槍で突き刺し、勢い余って雌阿寒岳の頭までも突いてしまったということです。

ポンヌプリという妾山がどこへ行ったかわかりませんが、雄阿寒岳と雌阿寒岳は距離を取るようになり、雌阿寒岳は槍で突かれた穴から今でも噴煙を上げているというお話……!

いつ頃のお話なのでしょう。

オンネトーは雌阿寒岳の怒りを鎮めるように、いつも湖面にその姿を映し出してくれています。

ひょっとして、寄り添う阿寒富士は雌阿寒岳の間男?……なんてね!

春まだ浅ければ犬も嬉しかりけり/オンネトーの楽しみ方

そんなドラマも味わい深い素敵なヒミツキチですから、犬だって嬉しいのです。

オンネトー散策のいくつかのコースをご紹介します。

どのルートを歩くにせよ、野生動物との遭遇に注意し、それなりの対策を施しておきましょう。

湯の滝コース

オンネトー南端にあるトイレ付の駐車場からスタートする1.4㎞の散策路です。

他のルートに比べると道幅が広くほぼ平坦で歩きやすくなっています。

湯の滝が近づくにつれ傾斜が多少きつくなりますが、小さなお子様連れの方も楽しそうに登っていきます。

所要時間は往復1時間程度、ファミリートレッキングや初心者の方に最適のコースです。

展望台コース

 オンネトーの中ほどにある展望デッキの向かいが入り口です。

初めから傾斜があり、ぬかるみや木の根など変化に富んだ遊歩道を800mほど登ります。

片道の所要時間30分ほどの軽登山といった感じです。

それなりの服装と足回りの装備が必要でしょう。

展望台からはオンネトーや雌阿寒岳を一望、オンネトー南端の野営場へ下りるルートがあります。

オンネトー周遊東岸(雌阿寒温泉)コース


車道のないオンネトー東岸を周遊する1.6㎞のコースです。

アカエゾマツの原生林を抜ける雌阿寒温泉町営駐車場(トイレ有)から入ると、トータルで2.2㎞となります。

オンネトー散策路の中では整備の行き届いていないコースに分類されますが、その分変化に富んだ自然を満喫できるルートです。

錦沼からの沢がオンネトーに合流する色の変化や、角度によって移り変わる湖面の色彩を楽しめます。

オンネトーが五色沼と呼ばれる由縁を一日のうちに実感できる魅力的なルートです。

マップ上はオンネトー南端の野営場まで繋がっていますが、季節によって草木の繁茂が著しく歩行困難の場合もあります。

加えて、あまり人の入らないルートなので、さまざまなケースを想定しておきましょう。

自然は寛容で私たちにいつも優しくしてくれますが、いささかぶっきらぼうなところもあるため注意が必要です。

野生動物との遭遇や植生の乱獲、他観光客への配慮など、さまざまな点に留意しつつ、オンネトーの自然を満喫してください。

オンネトー基本情報

  • 住所:〒089-3964北海道足寄町茂足
  • 電話番号:0156-25-6131(あしょろ観光協会)
  • 休業日:冬期車両通行止め
  • アクセス:足寄市街地から車で50㎞1時間ほど 阿寒湖バスターミナルから車で20分                    
  • URL:あしょろ観光協会
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