山形県といえば、県内すべての市町村に温泉があることで有名な温泉好きにはたまらない温泉大国です。県内には130ヶ所以上もの温泉がありますが、今回はジブリの独創的な世界観で人々を虜にした「千と千尋の神隠し」のモデルの一つになったとも言われている銀山温泉街を歴史と共にご紹介したいと思います。
銀山の歴史
大正時代(1912~1926年)の風情を感じる銀山温泉街は、山形県の奥地にある有名な温泉街です。
大正から昭和初期に建築されたとされる銀山川を挟んだ高層の旅館が建ち並ぶ景色を見て、これぞノスタルジックだとネットでも度々話題になっています。この銀山温泉の始まりは江戸時代まで遡る「延沢銀山」の名称からきているのだとか。銀山という名前だけあって銀鉱石がとれた鉱山ですが、延沢銀山とは最盛期には三大銀山の一つとも呼ばれていました。1689年に崩落により廃鉱となったそうですが、そこから湯治が盛んになり現在のように温泉業が定着して人気の観光地とまで広がっていきました。
こうして銀山温泉の歴史を知ると、一層銀山の風情を味わう事が出来るでしょう。
銀山名物のカレーパンを購入してぶらり街歩き
温泉街の入り口にある明友庵というお店では、銀山名物の『はいからさんのカリーパン』を販売しています。数種類ある中からお好きな味をチョイスして食べ歩くのは、散策する現地人だけでなく観光客にも定着しつつあります。カリカリの衣と程よくスパイシーな味が人気でお土産にも喜ばれそうな一品です。HPではお取り寄せグルメとしても取り扱いがありました。お子様にはマイルドさも感じられるチーズ味がオススメです。
足湯は銀山の醍醐味!泉質•効能も
銀山温泉街の入り口と中程には無料の共同足湯があります。源泉は各旅館で使用されているものと同じですので、「温泉に入りたかったけど日帰り入浴は湯冷めしそう…」と心配な人は気軽に挑戦出来そうですね。歩き疲れた足を癒やす人々で賑わっていますが、澄んだ空気の中でコートやスキーウェアで身体を守りながら足湯につかって温めている姿は何とも不思議な光景です。が、それもまた醍醐味。銀山温泉街をぶらり一周してから、上記で述べた明友庵のはいからさんのカリーパンや野川豆腐屋さんで販売している立ち食い用豆腐を購入し、食べながら足湯を楽しむことももちろん可能です。
銀山温泉の泉質•効能は以下の通り
- 泉質
- ナトリウム一塩化物•硫酸塩温泉
- 無色透明、塩味有り、硫化水素臭有り
- 効能
- 慢性皮膚病、切り傷、やけど、
- 神経痛、関節痛、筋肉痛、うちみ
- 慢性消化器病、冷え性、疲労回復、病後回復、健康増進など
富の象徴といわれる鏝絵(こてえ)を探そう!
銀山温泉街に建っている旅館には、それぞれの壁に鏝絵(こてえ)と呼ばれるレリーフが現在も残されています。鏝絵とは左官職人が壁の仕上げに施す漆喰の装飾の事で、蔵の改修や改築した際に商売繁盛、富の象徴として職人の感謝とともに表現されたと言われています。各々の旅館の絢爛を競うかのようにも見える銀山の鏝絵は、細部にまでこだわった職人の丁寧な仕事ぶりが感じられました。ぜひ一度、ご自身の目で味わって欲しいほしいと思います。
白銀公園•白銀の滝ルートは冬期間通行止め!
銀山温泉街を歩いて行くと約15分ほどで白銀公園に着きます。銀山温泉がある尾花沢市は日本でも有数の豪雪地帯で、冬には最大積雪深343センチを記録するほど。今年は暖冬と言えども雪深さは健在しており、なんと冬期間中は通行止めになっていました。少し前は冬期間も通行できた記憶があるのですが雪の恐ろしさをなめてはいけません。興味本位で行ったのか足跡がありましたが、絶対に行くのはやめてください。白銀公園までの道中も、寒さで凍っているヶ所がいくつかあるので気をつけて歩いてくださいね。
本来は、目の前に白銀の滝を見ることができ、小道を通り滝壺付近まで見学することが可能です。夏にはマイナスイオンをたっぷり浴びることができ、冬とはまた違った楽しみかたが出来ること間違いなしです。
まとめ
- 銀山温泉は、映画『千と千尋の神隠し』の舞台になったと噂される観光地で、街歩きをしているとまるでジブリの世界に迷い込んだようでした。
- 銀山名物のカリーパンで小腹を満たしたり、日帰り入浴や共同足湯を囲んで満喫したり、銀山の楽しみ方は無限です。散策するにもちょうど良い距離なので小さなお子様連れにもオススメです。(冬期間は防寒対策必須)
- それぞれの旅館に施された鏝絵を見比べて、ぜひ大正建築の素晴らしさを感じてみてください!
- 白銀公園および白銀の滝は冬期間通行止めでした。冬の銀山を味わったら、夏の銀山でまた違った雰囲気を楽しまれてくださいね。