道の駅のフードコートというと、ファミレスのような万人受けするメニューのレストランと手軽に飲み食いできるファーストフード系店舗、それに屋台やキッチンカーが並ぶのが一般的でしょうか。
大衆受けするメニューや地場産食材によるご当地グルメで高い集客を誇り、行楽期の昼時ともなるとどの店にも行列ができています。
ただし、JRの駅構内で見かける「立ち食いそば・うどん」的な手軽さ前提の店も多く、たとえば市街地繁華街の独立した店舗だったらわざわざ訪れるだろうか?と首をひねってしまうような店舗も少なくありません。
年明け早々、雪に見舞われた北海道。
暖まるモノを食べたいと思い、軽い気持ちで訪れた「道の駅おとふけ なつぞらのふる里」で極上のうどんに出逢いました。
麦笑(むぎわら)~2011年におとなりの池田町の畑の中に創業~
2011年におとなり池田町で「さぬきうどん工房」として開業したのが始まりです。
いかにもうどん好きらしい通好みのネーミング、讃岐うどんファンにはたまらないでしょう。
しかし、北海道はどちらかといえば「蕎麦」の文化圏。
四国を始めとする西日本が「うどん」の文化圏といわれることと好対照です。
「うどん・蕎麦」の暖簾をくぐったお店で、客がどちらを選ぶかで出身地がわかるほどです。
そんな食文化の垣根を超えて北海道池田町にオープンした「麦笑」
万人の先入観を見事に覆し、行列のできる大人気店となりました。
北海道十勝には、元々「たんた家」という人気のうどん屋がありましたが、讃岐うどんではありません。
「伊予製麺」や「丸亀製麺」の出店よりはるかに早く、もしかしたら近年の讃岐うどんブームの立役者なのかもしれません。
うどんも蕎麦も日本のソウルフードですが、寒いときの「鍋焼きうどん」は格別です。
施設情報~さぬきうどん工房 麦笑(むぎわら)
- 住所:〒083-0043 北海道中川郡池田町字豊田255-6
- 電話番号:015-572-1133
- 休日:火曜日、水曜日
- 営業時間:11:00~15:00(Lo.14:00)(なくなり次第終了)
- アクセス:JR根室本線利別駅から車で約10分、道東自動車道池田ICより約3分
- 公式サイト:さぬきうどん工房麦笑 | Facebook
道の駅おとふけ「麦笑~壱咲(いちえ)」の名の意味は……
というわけで音更町「道の駅おとふけ なつぞらのふる里」のフードコートに戻ります。
こちらのお店の名前は「壱咲(いちえ)」
店舗名、文字にもこだわりが伺えます。
「壱咲(いちえ)」の壱は一・1の大字
「壱」は一・1の大字です。
大字とは、単純な漢数字の代わりに用いる文字表記です。
主に、帳簿などの記帳の際、文字改変できないよう詐欺を防止する目的で使われています。
「壱咲(いちえ)」の咲は「笑」の異体字
「咲」は「笑」の異体字です。
異体字とは、置き換え可能な漢字を指します。
「咲く」という読み方は中国の詩人が「花が咲(わら)った」という表現をしたことを日本人が「花が咲(さ)いた」と訳したのが始まりです。
したがって、
笑 = 咲
「壱咲」を「いちわら」と読まずに「いちえ」とするあたりに、より深いこだわりが感じられます。
「一期一会」と掛けているのでしょうか。
人と食との出逢いはまさに一期一会。
次にいつ会うかわからない一人ひとりのお客様に全力で向き合っているのだなと想像させられます。
この味がこんなに安い価格でいいの……
あまりに香ばしく美味かったので、一気に箸が進んでしまい写真撮影が遅れました。
ご容赦くださいませ。
出汁のほんのり具合が抜群です。
うどんの腰ももちろん、聞くところによると本場さぬきのうどん腰はこんなものではないらしいのですがそれはそれ、十分な腰の強さとのど越しのよさが身体じゅうを駆け巡ってまさに風雲登り龍。
辰年にふさわしい一食となりました。
うどん王国讃岐と
小麦王国ほっかいどう十勝の音更町の
見事なコラボレーション。
化学調味料をいっさい使わない出汁は最後まで飲みきって身体が喜ぶ味です。
この味この腰で「かけうどん」580円。
冬季限定でカレーうどんもあります。
真冬のうどんは最高です!
施設情報 「麦笑」道の駅おとふけ店~壱咲(いちえ)~
- 住所:〒080-0346 北海道河東郡音更町なつぞら2
- 電話番号:0155-66-8686
- 休日:無休
- 営業時間:10:00~18:00(L.O.17:30)
- アクセス:JR柏林台駅から6.4km 帯広駅から6.5km