by しっかり村
ある土曜日の早朝のことです。お向かいの若夫婦が仲良く出かけたかと思ったら、小一時間ほどして満足げな顔で帰ってきました。
「朝早くからどこ行ってきたの?」
と聞くと
「朝ごはん食べてきたんです」
「6時半に並ばないと食べられない海鮮丼があるんです」
2人してにこやかに答えてくれました。
朝ごはんのメニューは「海鮮丼」
しかも値段はびっくり750円という。
北海道十勝の誇るコスパ最強海鮮丼を提供する市場食堂「ふじ膳」
紹介します。
ふじ膳は帯広地方卸売市場の中にある
さりげない佇まいの大きな看板。
市場関係者と業者さんしか入れないのだろうと、多くの方が素通りしてしまいそうなくらいの機能性重視の看板は国道38号線の北側、鬱蒼とした街路樹が建ち並ぶ片側2車線の広い道路沿いにあります。
道路は広いのですが、トラックや業者関係の車が行き交う程度で、乗用車が通るのは国道の混雑を避ける抜け道利用ぐらいでもちろん観光バスが入ってくることなんてありません。
市場の左側にあるシンプルな建物は「食品関連総合センター」
この2階にある食堂が「ふじ膳」です。
早朝の6時半から営業し、市場で働く人たちが多く利用しています。
市場にある食堂だから当然ですが、一般の人も気軽に利用できるところが「ふじ膳」の特徴。
しかも新鮮な海産物をふんだんに使った料理を、ファミレス以下の価格で食べられるのです。
朝からがっつり海鮮三昧で梅雨も猛暑も吹っ飛ばそう
日替わり定食や朝定食、特上にぎりなど、海鮮中心のメニューが並びます。
小樽や釧路など、海沿いの観光港ならいざ知らず、内陸の農業王国とかちでこんなメニューを目にできるなんて思ってもいませんでした。
しかも安い!
むしろ観光地でないからこそ安いのかもしれません。
記事を読んだ外国人観光客が殺到してテレビで取り上げられたりしたら複雑ですね。
ヒミツキチのままにしておきたい気もしますが……。
えぇっ!この海鮮丼が750円(2024年6月現在)‼
「嘘でしょ」
と言いたくなる気持ちはわかります。
でも、嘘じゃありません。
政治家はけっこう平気で嘘をつきますが、
一般庶民はあまり嘘はつきません。
そしてこれは紛れもないホントの話。
朝の限定20食!
これを求めて、お向かいの若夫婦は早朝に出かけていたのです。
そして満足げな顔で帰ってきました。
もちろん他にも海鮮メニューが目白押し、お昼どきにもランチメニューが賄われます。
詳しくは記事最下段の施設情報をご覧ください。
帯広地方卸売市場はなぜこんなに安くて開放的なのか?
「ふじ膳」の入っている建物「食品関連総合センター」ではさまざまな食料品が販売されています。
とかちの食材が中心ですが、「ふじ膳」で食した新鮮な魚介類や干物、お酒にお菓子にパッケージなど、業務用スーパーのような感じです。
市場ですから新鮮さという点では圧倒的、何しろここで購入してお店に出す方もいるわけですから。
帯広地方卸売市場は1913年に創立し、1928年設立された市場です。
100年以上の歴史があり、厳しかった開拓の時代からずっと十勝の食を支えてきました。
帯広地方卸売市場の特徴は、民営である点です。
ほとんどの場合、市場といえば都道府県などの自治体が土地・建物を保有しているのですが、帯広は「帯広地方卸売市場株式会社」が保有する「民設の市場」となっています。
だからなのでしょう。
開放的で、誰もが気楽に立ち寄れるヒミツキチとなっています。
北海道十勝といえば、「晩生社」による民間開拓の地。
飾らない、自由で開放的な気質は「帯広地方卸売市場」の民間運営にも受け継がれているのでしょう。
750円で堪能できるヒミツキチ、
ぜひご賞味ください。
市場食堂ふじ膳施設情報
- 住所:北海道帯広市西21条北1丁目5番1号 帯広地方卸売市場
- 電話番号:0155-37-2500
- 休日:日曜・祝日・水曜不定休
- 営業時間:6:30〜9:00(8:45ラストオーダー 10:00〜13:45(13:15ラストオーダー)
- アクセス:JR柏林台駅から車で10分 JR西帯広駅から約1.4㎞
- 公式サイト:https://www.obihirosijyo.co.jp/fujizen/
場ししょ