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【山形】再開発でよみがえった七日町御殿堰の進化

山形県の中心地と言えば、山形市七日町です。その山形市七日町には、江戸時代に作られた山形五堰と呼ばれている水路が流れています。その一つである七日町御殿堰が再開発商業施設として新たに整備されてから十数年、人々の憩いの場として賑わいをみせています。今回ご紹介するのは、この堰とは一体何なのか、その歴史や役割を紹介すると共に、オススメの店舗情報もご覧いただきたいとおもいます。

目次

御殿堰(ごてんぜき)って一体何??

そもそも堰とは一体何なのか聞いたことがない人も多いのではないでしょうか。

堰とは簡単に説明すると、水の流れを止めたり、調節したりするところのことを言います。山形には『山形五堰』と呼ばれている歴史的価値のある水路が存在していますが、そのうちの一つが七日町御殿堰です。約400年前の江戸幕府時代からある堰は、当時城のお濠(城の周りの凹みに水が張られたところ)の水源を目的として作られたのだとか。川の氾濫が度々あり、最上義光の後に城主となった鳥居忠政が川の流路変更の大工事を命じ全国でも特徴的な編目のような水路となったのが七日町御殿堰と呼ばれています。その他、生活用水路•農業用水路として活用され、暮らしを豊かにしていったのでしょう。

御殿堰は、城のお濠に注いでいた堰であったことから『御殿』の名がついたことが伺えます。歴史を調べると、時代と共に水路の活用法が変化しながらも町の生活を維持する為の基盤となっていたことがわかりますね。

御殿堰にあるモニュメント。

現在の山形五堰の役割

当時は城のお濠や生活•農業用水路であったことが分かりましたが、現在も山形県民の生活を助ける存在として以下の役割を担っています。

  • 水音を聞きながら夕涼みや散歩などが楽しめる親水機能
  • 火災発生時の防火用水機能
  • 石積水路から水を地下に浸水させる地下水かん養機能
  • 水辺の生物を守る生態系維持•保存機能

これらの機能をまとめて『地域用水機能』と呼んでいます。

山形市ホームページより引用(ページ番号1005412)

農業の為の水路だけにとどまらず、このように現在も人々の生活に密に関わる日常にはなくてはならない存在となっていますね。

世界かんがい施設遺産に登録された『山形五堰』

世界かんがい施設遺産とは、歴史的なかんがい施設を国際かんがい排水委員会(ICID)が認定•登録する制度です。2024年現在、世界で161ヶ所の登録があり、日本ではなんと51ヶ所が登録されています。小さな島国ですが、意外と多いことに驚きました。ちなみに山形では、今回ご紹介している『山形五堰』のほか、庄内地方にある一級河川地域の『北楯大堰』が登録されていました。日本にこれほどの登録数があることが分かったので、各地を旅しながらその土地のかんがい施設を巡り歴史に触れながら想いを馳せるのも面白いのではないでしょうか。

外の席では、店内で購入した軽食などを食べる事も出来る。

七日町御殿堰にある人気の店舗ベスト3!!

老舗そば屋の庄司屋さん。蕎麦だけでなく、卵焼きも美味しい。

現在、七日町御殿堰には、8店舗が入っております。オススメを絞ってご紹介するので是非足を運んでみてください。

オススメ1:そば処庄司屋

150年以上の歴史ある老舗のおそば屋さんで、保存料•着色料などを一切使用せずに代々受け継がれている味を丁寧に守り続けている人気のお店です。つけ汁の原料にも利尻昆布や本鰹節使用するこだわりようで、店内はいつも観光客だけでなく七日町に遊びに来た若者や散歩にきた老人夫婦など、年齢層を問わず賑わっています。定休日は今のとことありません。

オススメ2:クラシックカフェ

御殿堰の建物は、新しく建築した部分ともともとあった建物をキレイに直したものがあります。こちらのクラシックカフェは、なんと大正時代からある蔵を改装した洋食のご飯屋さんです。若者やカップルの利用客が多く、ランチタイムには行列を作っていることも珍しくありません。定休日は月曜日です。

若者に人気のモダンな洋食屋さんクラシックカフェ。オムライスが人気。

オススメ3:KEN OKUYAMA CASA

世界でも有名な山形出身の工業デザイナー、ケン奥山こと奥山清行さんが代表を務めている雑貨店です。シンプルでありながらも一つ一つに存在感がある目を引く雑貨を販売しているお店です。このお方は、イタリアのフェラーリや新幹線はやぶさの車両のデザインを担当している有名なデザイナーで海外からの観光客も足をとめています。商品を買いにくるだけではなく「KEN奥山のこの店が見たい!」と訪れる人が多い印象ですが、一度店内に入って彼のクリエイティブ力の源を探してみるのはいかがでしょうか。

奥山清行氏のが代表を務める雑貨屋。洗練されたデザインが多い。

まとめ

  • 七日町御殿堰は日本でも珍しい編み目のように流れている水路のことを言い、城のお濠の水源を目的としてつくられました。山形五堰の一つで、現在は憩いの場として県内外からの観光客で賑わっています。一時は廃屋が目立ち衰退していた七日町も進化しかつての明るさを取り戻していました。
  • 御殿堰は世界かんがい施設遺産に登録されていることからも分かるように、日本の歴史や発展に繋がる重要な資料とも言えます。現代の若者や、小さな子供達に形として残し伝えていくものだと感じました。
  • 七日町御殿堰の中にはいくつかの店舗が入っており、老舗のそば屋や有名なデザイナーの名前がついたお店など、足を運んでみたくなるような魅力あるスポットであることが分かりました。

アクセス

住所:山形県山形市七日町2丁目7

TEL:023-644-0466

駐車場:専用駐車場はありませんが、提携駐車場のほか、近隣にいくつかありますのでご安心ください。タイムズ七日町パーキングプラザ2や、タイムズ八文字屋あたりをオススメします。

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